憎いのか、愛してるのか。

震える手で上着をもつと

後ずさりするように外へ出た。

本当の部分を見つめられて

動揺したのだろう。

誤魔化しながら時間を潰しても

自分の心が納得してないと言ってる。

その言葉も知らぬふりをして

人の言葉も知らぬふりをして

なかった事にもできないから

自暴自棄になって手をあげる。

自分を終わらせる力もないからと

夜道をひとりで叫びながら歩く。

素直になるのがそんなに怖いか。

何が失われると怯えている。

沸々と沸き起こる怒りのような情熱に

息も絶え絶え寄り添う。

寝る時に上下する胸は静かだね。

そんな時間が、君にもある。

何も考えず、自分を許して、

全てから許されて、無になる時が。

束の間の休息。目覚めるまでの静寂。

吐き出したものを必死に受けとめる様は、

どこからどうみても

君が孤独ではないという証明なのに。

知らぬふりをして俯く。

君の心の器に注がれた虚しさを

すべて飲み干したい。

睫毛の影が寂しさを宿す

抱えた荷物を半分持ちたい。

君がどれだけ壊そうとしても

その手で壊れるほど

この心は柔ではないから

自分勝手に怒って涙を流しても

それでもいいよ。

それでいいよ。

人はひとりで生きていると思っても、

人はひとりでは生きられないんだよ。