君は仲間の中で俯いて
たまに控えめに笑ってたよね
言葉数の少ない君から放たれる言葉は
少し聞き取りづらい繊細な映画のようで
僕は他の誰よりも耳を慎重に向けていたよ
そして他の人たちと談笑しながら
思っていたんだ
この人は綺麗な人だなぁって
君の癖や君が愛しているものが
他の人と少し違っているけれど
それが君の魅力であって
君の所在を知らせている気がしてさ
僕にはしっかり君が見えていたよ
いや むしろ君以外の笑い声や話し声が
遠くぼやけて聞こえているようだよ
騒がしい街にあって
その物静かな佇まいは
とても僕の心を穏やかにさせてくれるんだ
君のことを思い浮かべる時に
僕は誰も知らない静かな湖にいるような
そんな心地がするんだ
君の綺麗さに
一体どれだけの人が気づいているのだろう
君が話しをしようとして辞めて
君が理解されることを諦めて
そうして内側に溜まり込んだひとつひとつが
綺麗な旋律になっていっているんだ。
だから僕にはそれが見えるんだ。
僕は音楽をしている人だから。