死にました。殺されました。

悲惨な事件がニュースになると

世間は怒りに包まれる。

憤り、悲しみに包まれる。

「信じられない」「最悪だ」「死刑だ」と

誰もが眉をひそめる。

その世間のひとりひとりに

「それでは具体的にその出来事に

憤りを覚えたあなたは何をしますか」と

マイクを向けたらどう答えるだろう。

「私は忙しいのでそこまでは」

「私だって大変なんだ」

「それは国がなんとかするしかない」と

立ち去ろうとする人がほとんどだろう。

そして時間はたち、悲しみや怒りは薄れ

その出来事も忘れ去られていく。

ニュースになるほどのインパクトに欠いた事件が

ひっそりと毎日変わらず繰り返される。

どうにかしなければ、と本当に心から思うことに対して

私ができることとはなんだろう。

私の立場でできることとはなんだろう。

自分の怒りや憤りを晴らすためではなく

本当の解決のためにできることはなんだろう。