自分に正直になること。

順天堂医院の院長天野篤先生の講演を聞きにいった。

社会的に活躍している人は総じて人格者だなと改めて思った。

前にソフトバンクの孫さんが言っていたのは

志をもつことの大切さ。

当たり前だけど天野先生にも同じものをとても感じた。

誰のため、何のための存在であるのか。

それは別に国家や社会のためといった大きなことではなくても

自分の住む街の人のためだったり、愛する人のためであったり

動物のためであったり、

自分の好きなことを突き詰めることであったり、

自分の中の大切な事を心にきちんと手放さず持っていることの

大切さを改めて感じた。

 

天野先生は、今まで当たり前とされてきた治療法や手術方法に

「当たり前とされているけれど果たしてそうなのだろうか」

と疑問をもち、より成果の出る治療法を編み出してきた。

私は去年の後半あたりから、それに近いような事を考えていた。

ただどこかの会社と組み、

タイアップのために曲を作って発表して

ライブをしてその繰り返しをする事は考えつく。

それは教科書通りであるし、広まらない事には仕方がない。

けれどその繰り返しだけを考えているだけで良いのだろうか。

結果的にそれをする事があったにしても、私の中で私自身が

根源的に求めている事をする必要があるのではないか。

もっと大切なものがあるのではないだろうか。

そこと向き合わずして、流れ作業のように一年ごとの動きだけを

していてもいいのだろうか。

私は半年近く自問自答を繰り返している。

自分の昔から今まで、いろんなものを机に散らかして

ひとつひとつ見返していた。

天野先生は言っていた。

「かなり悪くなってしまったような場所を手術する時は、

普通はやる必要がある場所だけをなるべく小さく切って

傷を小さくしすぐ治療を終える事が良いこととされていたけれど

むしろ大きく切ってやれる事をやったほうが良いのではないか。

そのあとに素早く傷を閉じればいいのではないか。

それを実践してからその方が患者さんの予後が良い結果となった」

私は昔の自分のあり方から見返していたから

そしてそれは曲も作らないし一見何もしていないような時間だから

地味に苦しいのである。

ライブをしていれば、その時のしたという達成感がある。

曲を作れば自分の思いを形にできたという快楽がある。

こんな何にもならない事をやっているよりも

しのごの言わずに作って活動した方がいいのではないかと

思う時間もある。

けれどそう思って焦るたびに自分の心の奥から

「自分の中で本当に納得しないと進まない方がいい」と

言ってやまなかった。

天野先生の講演を聞きながら

自分のしている事はこの先の作品に必ず繋がるはずだ

と感じた。

いや、そうさせなければならない。

自分を信じよう。