お利口さんを脱いで

いきなり現れる静寂

このまま誰も来なければいいのに

どうしてそんなこと思うんだろう

沈黙のままで

君から発せられる引力みたいな空気に溶けて

その体に委ねたくなる

不思議な時間

何も知らないままで 話もせずに

ふりむいて

君の目を見つめたのはわざとだよ

僕の視線に目を少し見開いて

僕の目の奥に何を感じた

黙ったままで

世間話も 愛想笑いもなくして

冷静さを保つ仮面を剥がしたい

お利口さんはやめにして

予定調和を蹴り上げて

優しいままではいられない

そんな予感がしている

僕の中に寝かせていた欲が目を覚ます

その心に土足で踏み込んで

僕らの間にある境界線が溶けるまで

苦しくなっても同化したい

何も知らないままでいい

若しくは

誰にも言わないことだけを共有しよう

誰にも見せない表情だけを共有しよう

誰も入ってこない場所で

もっと奥まで味わいたい

何も知らないまま君を知りたい

言葉じゃない何かで