泣いているのだろうか

君は優しい人だね
僕をよく見ているから
色んなことによく気がつくんだね
君の仲の良いご両親のように
君もきっと幸せな家庭を築けると思うよ
僕は君の差し出す手をとれない
誰にでも優しくすることくらい
容易い事だと思っていたけれど
誰かを愛することが
別の誰かを傷つけることにもなると
僕はわかろうとしなかった
この両腕で抱きしめられるのは
ひとりだけで
誰かが僕を抱きしめたいと願うとき
僕はその人を傷つけることになる
何かを選ぶということは
何かを捨てるということで
誰かを幸せにすることは
別の誰かを悲しませること
だから打算や損得ではなく
寂しさを埋めるためでもなく
愛し合える人がいるということは
奇跡のようだね