心が形作るその頃
刃物のように冷たくて尖っていて
それでいて誰よりも温かい
あの音にくるまれて眠っていた
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私の居場所はその音の中にあった
自分の承認のためにある偽物の優しい音ではない
心の底からのほんとうの音以外はいらない
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あの時の気持ちを
未だにずっと持ち続けている
未だにずっと愛し続けている
その音にくるまれ眠っていた記憶
私の血の中に存在する
その血がついた筆で描く私の言葉
私はその言葉を
生きることを使い果たすために歌う
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あの臆病者め
お前もそのために生きてきたはずだろう
繊細だから仕方がないと
私は慰めたりなんかしない
何を迷う事なんてあるものか
くだらないトンネルに入りやがって
出口の光が見えない、じゃない
お前自身がお前の光だろ
せいぜい飽きるまで膝を抱えているのが良い
お前が歌わなくたって私は歌う