朝が迎えにきた。
にゅすけと何ヶ月かぶりに会った。24時に川口の居酒屋で。
物を作るものとして、別のフィールドで、同じような志をもって
同じ時代を生きる人間に出会うことはなかなかない。
人は皆ひとりで生きている。
母から生まれるが、ひとりで泣きながら生まれ、ひとりで死ぬ。
物をつくるときに、それは強烈に襲ってきたりする。
二十代はいわば試練の年だろう。死ぬ人間は多い。
私は死を否定しない。死生を倫理ではなく美学で捉えているためだろう。
しかし私の場合となると、生きるか死ぬかよりも情けなさが目につく。
そしてその時にゅすけの事が頭をよぎる。
同じ時代に生きて、私だけくたばるわけにはいかないだろう。
同じ時代に生きて、苦しみを分かちあい、共に笑いあって、別れ、
また別々の孤独を過ごす。
その時に、自分だけがくたばるわけにはいかないだろう。
くたばった時はその時だ。二人とも同じような綱渡りをしている。
しかし同じ時代に生まれ、出会い、苦楽を笑いあえる人間に出会えた。
そのことをひとつとっても、幸せなことだと思える。
もう眠いので今日は眠る。明日はもうそこにある。