同じ海の底

自分の手で壊したのか

それともはじめから壊れていて

修復不可能だったのか

どうしようもない現実を前に

歪んだ人間同士の歪んだ愛

憎まれながら愛した

愛することさえ傷つけることになる

それでもいなくなる事ができなかった

遠ざけても遠ざけても消えない

終わってたまるかと殺気立つ瞳と

全てを受け入れたような

諦めたような悲しい瞳

なにひとつうまく生きることができなかった

代償ばかりが大きくなって

重く背負いこんで余生をひとり歩く

死が救いにさえ見えた

人間は綺麗事では生きていけない

犯した罪が一度も許される事がないのなら

この世のほとんどの人間が許されざる存在だろう