俺に大義名分はない。これは俺自身の戦いだ。

君を見てなぜか血が騒いだ。

さっきの決闘をみてその理由がわかったような気がする。

産業革命以後、時間と空間の認識は一転し

銃と車輪は制度を塗り替えた。

便利な道具が増えるほど

人間は生き物としての元祖の魂を見失うことによって

何か別の生き物に変質していくのかもしれない。

君には失ってはならない何かがちゃんとある。

私はそれを呼び覚ます君に惹かれたんだ。

 

少し前にカムイの剣を見てぐっときたセリフ。

西洋占星術とは違う占いで

私は開拓し続ける人生だと書いてあった。

ひとつの場所に留まらずに行く先々で

人を導き役目を与えると書かれていたのを

この物語を見ていて思い出した。

 

カムイは子供の頃、育ての家族を殺され

殺人の疑惑をたてられ村を追い出される。

顔も知らない父親を探すうちにいろいろに巻き込まれていく。

安住できる場所、愛する人、色んな出会いがカムイに訪れるが

カムイはそこを旅立つ。行くべき場所のために。

 

 

冒頭の言葉は、行く先で出会った人がカムイにかけた言葉。

自分の面倒を見てくれた人が実は父親を殺した人間だったと知った。

母親も愛する人も殺されてしまう。

いろいろなものを失い、出会い、犠牲をつくるが、

いつも最後は自分の求める場所へ選択する。

大義ではなく、カムイ自身のための戦いに向かって。

 

そんなたいそれた物語ではないけれど

人間は誰しもカムイのように自分に与えられた定めのようなものがあり

それに気づかずに一生を終える人もいるが

気づかない方が楽だともいえる。

けれど気づかずに生きていくことを私は求めない。

自分が決めた役割のために自分が一生をかけて生きる。

その方が、かっけえじゃん!(いきなり軽薄)