虚飾された憂鬱な城の扉をあけることは世界の終わりのように感じたが
それこそが、彼女の新しい物語の始まりだった。
自分を犠牲にすることはもうない、
本当の自分を愛してくれる人が待っている。
この上ない安堵感に包まれて眠る。
その場所が用意されている。
さぁ出かけよう。
「こんな年齢になって、こんなにも自分のことを知ってほしい、
相手のことを知りたいという気持ちになれる人と出会うなんて
思ってもいませんでした」女性が爽やかに笑っていた。
雪に囲まれた新芽のように。雪解けの光を浴びる日は近い。
何かが始まるのに、遅いということはないね。
年齢性別に関わらず、全ての人に平等に今日一日のスタートがあるように、
新しいスタートはいつでもきれる。自分の心持ち次第で。
居心地の少し悪いくらいが居心地がいい、これが自分の身の丈だ。
そんなこと言わないで。
大学の本にこう書いてあった。
「さぁ、朝だ。私は薪をもってこよう。
君は川から水を汲んで来てくれ。」
それが人の、あるべき姿だと思う。
彼女の幸せを心から願う。