ある日のライブ前、女性のシンガーソングライターにこう質問された。
「緊張した時はどうすればいいですか」
私は体の力を抜いてリラックスするということについて答えた。
「体の力を抜くためには、一度体に思い切り力をいれるのがいいですよ」
思い切りプラスにいくために、思い切りマイナスに振り切る。
その逆も然り。
私は考える人が好きだ。
その人に与えられた時間、脳みそ、情報から得たもの、感情
それらを料理のように混ぜ合わせている。
簡単に楽に流れない人。答えのない答えを歩く人。
私の友人に哲学書が好きな人がいる。
たまに二人で食事した時、俗世的な話が多かったかもしれない。
ひとりで過ごしていると、そんな昔の時間を思い浮かべ想像したりする。
私はその人とまた食事ができる時には、その人の頭の中の話
その人についての話を沢山聞きたいと思った。
死ぬことが思考からの解放だとするのなら、
死は私にとっては褒美のようなものだ。
思考に苦しみ、思考から快楽を感じる身としては。
死を感じ切るために、生を感じ切る。
人間としての生を感じ切ること。
そこに間違いも正しいもない。
ただ、感じ切るということに誠実さを手向ける必要があるだけだ。