涙流す人

先生の講義中に涙していた

あの青年は今頃何をしているだろう

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今も先生を思い出すだろうか

それともそばにいるのだろうか

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あの講義中に

あれほど食い入るように

あれほど何も聞き逃すまいと

先生の声に

先生の一挙手一投足に

集中していたのは

私と彼だけだっただろう

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彼の胸に美しく燃え上がる火は

まだ彼の胸を輝かせているのだろうか

どんな時代になっても

どんな人に揉まれても

その火を消すことは出来ないだろう

私はそう信じている

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彼とは一言も会話をした事がなかったけれど

話の合わない知り合いよりも

よほど私は親密に感じている

同じ美しさに魅入られたのだ

別々の道へ歩いていっても

私は先生の火を絶やさない

彼もそうであってくれたら良いな

私と君の胸の中に

遠くにいても

確かに私も君も同じ時間を生きている

遠くにいても

確かに私も君も同じ志を抱いている

君が学ぶとき

私は珈琲でもいれよう

私が働くとき

君は詩を朗読しておくれ

これが私のした学びなんだ

私は15年以上も前に知った学びを

今も心に抱いている

それは減ることなく

むしろ輝きは確かなものに変わっている

信じたものを愛するんだ

永遠に眠れないことはわかっている、と君は歌う

明日の雪予報など信じられないくらい

こちらは暖かい時間が続いている。

 

jojiの新しいアルバムに触れる。

雑多な人混みに合う。

疲労と欲望が渦巻く空間に合う。

 

ある人はjojiは悲恋への美しさがあったという。

枯れていくものへの美しさが。

ただ今回のアルバムはその美しさも枯れてしまうような

タイトルにある「piss in the wind」は直訳すると

風に小便をするである。

 

しかしこれは慣用句で、

「徒労に終わる」

「絶対に成功しない無理なことに時間を費やす」という

かなり虚無を感じるものである。

これによって悲しみの美しささえ終わってしまったのではないか

という人と

いや、それこそが抗いなのだとするファンの声がある。

 

私は後者のように感じている。

私のような無駄に交感神経溢れる人間とは対極である。

しかし私がjojiに惹かれているのは

youtuber時代の破天荒さも今のjojiも一貫した筋がある。

世の中に対するピエロのような役割をしながら

それを苦しく思う人の心に確かに触れている所は

どんなに音楽性が変わろうと変わらない部分のような気がする。

 

疲れながら寂れながらも欲望に満ちた街を

jojiの虚に呟くような歌声とノイジーな音に合わせながら

私はそれを映画のように触れているが

映画のようにと書いたのは

私はその中に生きている人間ではないからだ。

私はどこまでいってもそこから席を立たなければいけない。

 

虚無に浸る優しさや切実さや強さがjojiにはあり

私は虚無を断ち切る場所が似合っている。

虚無に付き合う胆力が私にはないのかもしれない。

虚無を埋めるための輝きは私には頭痛がしてしまう。

もっと自分の内なる芯を掴みたい。

 

けれどそこは相入れない、敵対するところではない。

私はjojiを、jojiの音楽を愛している。

 

そんなことを思っているんだ。

君は何を思っているのだろう。

君はより強い輝きに手を伸ばしているだろうか。

私に寄り道などするなと笑いながら言うだろうか。

 

私は今日ずっと書き物をしていた。

寝るまでするのだろうか。

寄り道をたまに挟みながら

私は私の行くべき道を作っている。

この日々を愛している。

報われないかは分からない


バッドエンドの先にも

消えない光があるなら

私ももう一度

自分の物語を描き直していく

報われないかは分からない

 

私たちの未来はまだ誰にも分からない

だからまだ止まっていない

この鼓動に火をつけて

 

「この鼓動に火をつけて」シギ

 

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姫島美紀は作家としての 自分の強みや弱みがわからないまま

雑多に文章を書き連ねる毎日。

ある日取材のために足を運んだ映画館。

客足もまばら、 厳しさの余り逃げ出してしまうバイト。

バッドエンドしか流さない映画館の支配人 田所あゆむは

なぜバッドエンドしか流さないのか。

自分の歩んできた物語や想いは偽りではない。

むしろ情報の濁流の中に残る一番確かな証とも言える。

想いが生き様を現す。田所の想いとは。

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第2章「バッドエンドしか流さない映画館-姫島みきの場合-」 作・朗読 シギ

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13人の主人公が些細な刺激によって

しかし確かに心に変化の火を宿す物語。

第2章はシギのポッドキャスト「パッション道場」の 287回にて途中まで無料公開中。

https://open.spotify.com/episode/4r38dQyJbeotCofbqIaMBd?si=b63d4756a3a84fee

愛の火

愛のために生きよう

風が吹いても愛の火が消えず

愛の火が風に踊るよう楽しめるように