世界が最後の恋をしている

魔界の音楽班のみんなと。

今日は歌っている時に時間がゆっくり流れているような

周りの景色がいつもよりクリアに見えるような

そんな感覚の中で歌っていた。

歌う前に少しせわせわしていて(よくない意味で)

気持ちが定まらない部分があったのだけれど

昔好きだった歌を最近聴いていて

それを歌う直前まで聴いていた。

そしてたまたまその時に町田さんの言葉を見た。

「余裕のある演奏をする事が大人だと思ってたけど全然違う。

いくつになっても必死で歌って演奏してる方がかっこいい。

余裕なんて所詮情熱が薄まったことの誤魔化しだ」

と書かれていた。

今まで共演した人の中で

町田さんの音楽に対する姿勢はとても近いものを感じる。

 

余裕のもてる曲もすごく好きなのだけど

好きなものと、本質的に惹かれるものは

また少し違う。どちらも好きにかわりはない。

 

私はわりと雑食な音楽の聴き方をする。

ルイアームストロングやシナトラも聴くし

ケンドリックラマーやZORNなどのヒップホップも和洋問わず聴く。

歌謡曲も聴くし、演歌も民謡も聴く。

欧米の先端の音楽も聴く。

その時の気分に合わせて、いろんな音楽を聴く。

流れるような音楽も、情熱的な音楽も。

ジャンルは関係ない。胸が震えればそれが好きの証拠。

 

曲ではなくて人で聴く音楽もある。

その人だから聴くという音楽。

私の中の音楽は本来そういうもの。

飾りではなくその日の気分などでもなく、

その人そのものという音楽。

むしろ音楽は二次的なものになり、音楽を超えている。

宗教や道徳や教科書と同じ域にいる。

その人の生き方、あり方に影響を受ける。

 

自分の信じた道を走り続ける人

時に自分を受け入れない人の方が多い場所においても

自分を叫び続けるような人

体から溢れる「その人」という個性。

そんな人が好きだ。

 

時にその人が私の主義主張の正反対をいっていても

細かい部分の違いはどうでもよく

その人の大元となる生き方、あり方が好きだ。

どこまでいってもそういう人間なんだな

と何回も何回も噛みしめるように思いながら

私は舞台へ向かった。

 

終わってひっさしぶりにビールが飲みたい気持ちになって

この寒い中ひとりお疲れ様会したけど

ひっさしぶりに美味しいビールだった。

夏になったら最高だろうな。

爪痕を残すように生きたい

スタジオ。久しぶりに喉が痛くなるほど大声出した。

君らどんだけ爆音やねん。

私もぶっぱなしちまったよ。明日魔界なのに。

新木場で会いましょう。

私は歌います。