地獄のようだとあの人が言っていた通り
心の底のどす黒さに息がつまるようだった
空虚と疼く古傷と 古傷のせいにして堕落する自分の弱い心
そうやって生きてきた心の渇望は
生きる力に満ちた者の心を求め
その満ちた心もまた
相手の空虚に自分の中の闇を重ね求める
渇望しあった者達が激しく求めあった先
絶望の中から針ほどの小さな光が射して
そこからはもう光が溢れるほど漏れ出した
相手を求めることにより自分を取り戻した
その狂気と愛
溜息もつけず取り残された私は
しかし喜怒哀楽でも高揚でも落胆でもない場所に
その答えがあるのだろうと どこか冷静だった
そして なぜあの人に惹かれているのかわかった気がした
全てが発散された後に残る静けさを持つあの人は
あまりにも私から遠く離れていた
私はあの人を知っているけれど
あの人は私を知らない
この道のりを歩いて行く
いつか出会えると信じて