自分らしくもなく

あの日僕は苦しみに追いやられていた。

ふと顔をあげると

君が何も言わずに僕に微笑んでいた。

大丈夫だよ。

そう言われているような気がした。

 

言葉数の少ない君は

こうして僕をいつも見守ってくれているのだと気づいた。

思い返せばいつも。

 

僕は今日、君の苦しみをみた気がした。

僕は心の中で目の前にいる君に声をかけ続けた。

大丈夫だよ。僕はここだよ。

君の心の一番近くにいるよ。

 

なかなか本心を言いたがらない君が抱えている

不安と心細さを目の当たりにしたようで胸が痛んだ。

君を守りたいと思った。

僕が君に渡せる幸せはなんだろうと考えた。

 

同じ場所にいても少しずつ状況は変わって

周りの人の気持ちも変わっていくけれど

僕が君を想う気持ちはいつまでも変わらないよ。

僕らの周りがどれほど騒がしく変化を続けようと。

君を置いて僕はどこにもいかないよ。

 

君の人を想う純粋さ。

汚れのない愛。笑顔。控えめな声。

 

僕は祈った。

神様

あの人に沢山の幸せをプレゼントしてください。

あの人に苦しみが訪れても乗り越える力を

プレゼントしてください。

それと引き換えに僕の幸せが減ったとしても

それでもあの人を幸せにしてください。

僕よりもずっとずっと

あの人を幸せにしてください。