俺は嘘だらけのこの世の中がつくづく嫌になったんだ

曖昧にして生きるが人間

自分の手に負えない絶望を

自分が醜く感じる欲望を

正体を明かす光も恐ろしい

ほどほどな曖昧さに身を包めて生きる

人間は勝手で我儘な生き物だ

それを感じると口が塞がれる

また哲学者ぶってる者がそうして

貴様は我儘だ勝手だなどと

言葉の刃を他人に向ける様も

同じように嫌気がさしてくる

自分は勝手で我儘な生き物だ

己に言い聞かせる事が一番心地よくおさまる

私は勝手で我儘な生き物だ

他人が自分の愛する者に刃を向ける時

自分の刃でその他人を躊躇いもなく攻撃するだろう

その平等性を無視した

自分の気持ちのみで行動する事に

人間の不完全さを感じる

けれど愛は執着を手放し赦し耐え忍び

全ての人に等しく光を与える事

そういう気質の人間から人間らしさの臭気を感じない

物語は完璧であってはならない

人間のもつ臭気が嫌というほど漂ってくる

その腐ったものはお前自身だと突きつけられるような

そんな美しい物語だった

哀れさを 不完全さを 惨めさを

日の光を浴びたら目が潰れるほどに

闇の中を見続けた真実から目を背けられない

そんな気持ちになった

優れた作家は希望など与えない

その点において

私は優れた作家には一生なれないだろう

真実を突きつけるより

自分の無力さに打ちひしがれ絶望し続けるより

今の自分ができる一歩を踏み出したい

健気な人のささやかな愛を前に

それを暗闇で犯したいと思えない

人間の本質は素晴らしい歴史の偉人が

嫌という程に残してある

卑しさ 欲望 愛憎

文化は人を豊かにする

文化は人に教えを 救いを渡す

受け取る側次第で大きな意味をもつ

今日はさいたま芸術劇場に「アテネのタイモン」という

舞台を見に行った。

役者さんの白川さんが出演するということで、

調べたら藤原竜也さんも出ている!ということで初さいたまの劇場。

本当に素晴らしかった。

吉田鋼太郎さんのセリフ、ブログのタイトルの言葉が

胸に突き刺さって泣いた。