生きていた

誰が寂しくて

そんなに命を奪ったというのか

 

烏は見ていた

雪まじりだった

咲き始めたばかりの梅も見ていた

 

魂は空へ帰り

今は安らぎの中か

知らない 生きているものは知らない

けれど忘れない 生きていたものを忘れない

 

両手を合わせた

祈りが空へむかう

死者のすべてには

母親がいた