受け入れていく

僕が後悔するのは

人の目を気にしないで

自分の一番深いところにあるものから

目をそらさずに生きれば良かったってこと

それを受け入れられるだけの

ラフさが足りなかったんだ

それが悪い所と言い切れない部分もまた

歯切れが悪いのだけど

けれどそれを思うと同時に

幸いにしてまだ僕は生きているということに

少し安堵するんだ

自分に謝罪したい気持ちがあった

肝心なところを

見ないでやり過ごしてきた

昔よりも

もう少しうまく言葉に出来そうな気がする

暗闇の中に光る

君は仲間の中で俯いて

たまに控えめに笑ってたよね

言葉数の少ない君から放たれる言葉は

少し聞き取りづらい繊細な映画のようで

僕は他の誰よりも耳を慎重に向けていたよ

そして他の人たちと談笑しながら

思っていたんだ

この人は綺麗な人だなぁって

君の癖や君が愛しているものが

他の人と少し違っているけれど

それが君の魅力であって

君の所在を知らせている気がしてさ

僕にはしっかり君が見えていたよ

いや むしろ君以外の笑い声や話し声が

遠くぼやけて聞こえているようだよ

騒がしい街にあって

その物静かな佇まいは

とても僕の心を穏やかにさせてくれるんだ

君のことを思い浮かべる時に

僕は誰も知らない静かな湖にいるような

そんな心地がするんだ

君の綺麗さに

一体どれだけの人が気づいているのだろう

君が話しをしようとして辞めて

君が理解されることを諦めて

そうして内側に溜まり込んだひとつひとつが

綺麗な旋律になっていっているんだ。

だから僕にはそれが見えるんだ。

僕は音楽をしている人だから。