LOVE IS THE DEVIL
私は余裕をもって外側から眺めていた。
ジョージダイアーのような茶番。あの時はまだ何も知らなかった。
時限爆弾が胸のなかにセットされて
その秒針がちくちく響いて頭が痛い。音がうるさくて眠れない夜。
そのボタンを押した。わかっていて押した。
喫茶店で紅茶をもってきた店員さんは
この砂時計が落ちるころお飲みくださいと言っていて
心をすかされたようで動揺した。
君の言う砂時計は私にとっては時限爆弾のスイッチのようだ。
君ならきっとわかっている。
フランシスベーコンのセリフでこんなものがあった。
それは誰も笑えないギャグのようだと。
茶番にのたうちまわって苦しんでいる。他人からしたら私もただの茶番だ。
娯楽にもならない。
逃れたい、逃れたい、逃れたいと暗い森をひとり裸足で駆け出す。
何に怯えているのだろう。見上げれば月明かりが道を照らしているのに。
そんなことも忘れ走っている。逃げなければ壊れてしまう。
悲しむために出会ったの。