たかが気分、されど気分。

一息ついたときに

たまたま出てきたチェットベイカーの映画の予告を見ていると

メロディが浮かんできたのでボイスメモに残した。

チェットベイカーの雰囲気とは違うものなんだけど

前々から作りたいけどどう作ったらいいかなと思っていた

メロディだった。

こんな瞬間にそれが出てくるのか!と驚き嬉しみだった。

 

手紙で毎月新曲をかいて録音して

新作を出す目的で作ったりで

作ろうとして作ることが多かったので

作ろうと思ってないタイミングで

ふっと浮かんでくるということが久しぶりだった。

 

音楽は所詮、気分。

でもこの気分というのはとても大事な部分。

深刻に囚われて気分が落ちていると

絶望的になって心が苦しく辛くなる。

そんな時にそっと肩に手を置いてくれる音楽。

心にある苦しさがブルースとなってドラマになる。

夜道を歩く静けさと星のささやかな明かり。

その中で軽やかでアップテンポな曲を流せば

さながらミュージカルのように

暗い夜道をステップで踊り出したくなる。

 

どんな気分に浸りたいかで流す音楽を決める。

車に乗る時、歩く時、寝る時。

たかが気分でもされど気分。

ドラマチックになったり軽やかになったり

悲しみに浸ったり恋を盛り上げたり

音楽が存在する喜び。

 

最近音楽と向き合っていると

そんな当たり前にあった音楽の

素晴らしさを感じることが増えた。

今まで聴いていて感じることが多かったけれど

最近は作るということの中に

今までとは違う喜びがある。

また新しい感触で音楽と向き合っている。

新鮮な気持ち。