永遠がある

真夜中に届いた君の言葉の奥には

痛みに似た切なさが宿っていた

僕は敢えてその事には触れずにいつも通りでいた

たった一言の泣き言

僕らは毎日嘘をついて生きている

平気じゃないのに 平気なふりをして

傷つくことが怖いから

家の中から小雨が降る窓の外をただ眺めている

何をしていても君を想う

僕が君のためについた嘘が明かされる時

君が一番傷つくと知っていながら

僕も君も時計が動かないふりをして

昨日も今日も同じことを繰り返す

時間を潰すようにして

おどけてみせる笑顔や

濡れた髪から滴る汗や

限られた時間に怯えた夜も

すべて君なんだ

僕に何が出来るだろうと一日考えていた

大したことなんて何も出来ない僕に

外へ出て歩道を行くすぐ先には

何も変わらない景色があって

その奥には開発のための工事がされていた

その様子をただ立って見ていた

変わらない、そう思った

この世界がどれほどの変化を迎えようと

僕や君の周りがどれほどの変化を迎えようと

君が好きな僕は永遠に存在している

僕らは何も始まらないかわりに

永遠に終わることもない

小さな部屋で息が止まるほどきつく抱き合おう

贅沢はいらない

言葉なんて 何もいらない

誰の賞賛もいらない

ルールも 世辞も 愛想も 人目も 時間も 愛すら

全てに背を向けて

僕らを縛りつけるものは何もない

君と僕だけが存在する世界においては

やりたいことをやればいい

誰も存在しない森の奥に流れる汚れの無い水のように

取り繕うことはやめにしよう