本当のこと

 

誰か僕の話を聞いてくれないか

誰か僕のことをわかってくれないか

誰か僕のことを叱ってくれないか

誰か僕のことだけ愛してくれないか

 

本当は話したいことなら死ぬほどある

本当はしてほしいことなら腐るほどある

 

本当は本当のままではいられない

 

 

 

だいぶ昔に作った歌を聴いていて泣いた。

言葉がないと不安になる人間が私なのだな。

気持ちを言葉にして言葉を歌にして生きてきたから。

本当を本当のままでいられる場所を見つけたかったのだ。

なるべく全てを言語化しあいたかったのだろう。

それを大事に抱きしめて安心したかったんだろう。

本当は。

 

泉鏡花の作品に惹かれるのは

自分が目に見えていないもの、

言葉にはされていないものを信じたいからなのだろう。

言葉がなくても気持ちはあるということを。

本当はそうだと信じたいからなのだろう。