わたしの知らない時に
どこかで産まれたあなた
あなたの知らない時に
どこかで産まれたわたし
ひとつの街の中で出会って
そこからは何をしているか
何が好きなのか
ひとつひとつ伝えあって
ひとつひとつの場所に行って
同じ景色を見ることが
出会うまでの時間を埋めるみたいで
なんだか優しい
どこの町からきた鳥
青い空に馴染めずに
孤独が君の輪郭を際立たせる
どこかで見たような景色
どこかで聴いたような音
どこかで嗅いだような香り
前から知っていたような物語
小さい部屋で
わたしたちは抱きしめあう
なにかを話してもいいし
なにも話さなくてもいい
そんな時間がわたしたちみたい
どこかで見たような後ろ姿
どこかで聞いたような笑い声
あなたを忘れる日はない
あなたのような空
あなたのような夜
あなたのようなわたし
わたしのようなあなた