あの女は生命より大事ですので、死なうにも死に切れん。

読了。読んでいたのはこれ。

泉鏡花の日本橋。

四、五日で読み終わったかな?

なかなか難しくて最初は難儀した。

どう難しいのか一ページお見せすると・・

こんな感じ。

泉鏡花の小説の不思議なところは

最初気合をいれないと読みづらくて全然入ってこないのだけど

そこを頑張って読んでいくと

あれよあれよと泉鏡花の世界に入っていけるところ。

しかし日本橋はその中でも特に読みづらかった・・・。

しかしやはり読み進めると安定の泉鏡花ワールドだった。

 

人の強さと美しさ。

歩きながらこの小説について考えていたら

そういえば泉鏡花の話は

必ず想いを貫くと共に

その想いの責任をとる人の姿があるなと思った。

 

責任をとる姿は悲劇に映るので

人によってはバッドエンドに感じるかもしれないが

想いを貫くという点において私には幸せな結末に感じている。

その責任も人からとらされるとかではなく

自分で決断した末のことなので

凛とした汚れのないものを感じる。

 

日本に帰化したラフカディオハーンなんかは

こういう日本人の姿を美しいと感じたのだろうかと想像する。

ちょうどラフカディオハーンの怪談を読んでいるので。

そういう日本人が日本にはどれほどいるのか

とても怪しいところだけれど(それが幸福とも限らないため)

そういうのを美しいとする日本人の感性は

私の中にも息づいている。

しかし現実でそれにのめり込みすぎることには気をつけたいところだがね。

 

昨夜から今日はそんなこんなの気持ちに浸っていて

その気持ちのままで一曲かいたら良い感じの曲ができた。

そして私はこういう純文学に久しぶりに触れることで

この世界は私にとってとても大事なものだったと

大切な何かに気づいた。

その何かがうまく言語化できないのだけど。

大学の時にむさぼるように三島由紀夫・川端康成・泉鏡花を読んでいたので

あの時の自分は私を形作る大事なものだったのだなと

今の自分の血肉になっているのだなと

久しぶりに泉鏡花に触れて気づくことができた。