神の手

ようやく晴れ間が見えた

目的地に着く手前は

いつも嵐が待ち構えていて

私は大抵正面から突っ込むと

案の定大雨と風の強さに翻弄される

前が見えなくなり目的地を失うと

不思議といつも私の前に現れる

その存在に目を奪われながら

歩き出すその人の後ろをついていく

混沌としながらも挫けて戻らないのは

その存在が目印になっているからで

そうして追いかけていると

そのうちに嵐の出口にきている

こんなことが何度あっただろう

自分ひとりでは抜けることができなかった

今もそうだ

いつも神の手のような存在が

人の形をして現れては

私をその気にさせて導く