或る事が自分の本心であるためには、まず自分から催眠術にかかってしまう必要があるらしい。

ひとりが身に染みて

夜になると目に見えない霧のようなものが見えてくる

その香りを吸い込むと懐かしさが私を襲う

あの日に逃げようとしているのだろうか 自分を疑うと

霧は夢のように忽ち消えて ただ寝静まったようなビルの静けさだけが私には見えた

今ここには誰もいない

過去の輪郭も 幻の未来も 太陽のうざったさも 月の雫も

温もりも涙も笑顔も

 

今という時に誰も

私の胸にはいない

さっきまで掴めていたと思っていたものは

時間がきて私の手元から無くなっていた その繰り返し

 

 

まるで話し相手を探している

まるで月に寄り添う星のような

とりとめのない話しを私としてくれないか

こんな夜から抜け出さないか

さぁ