私は座った状態でうなだれていた。
目は開きっぱなしだったが体がひとつも動かない。
「あぁ、もう終わったんだ」そう感じていた。
このまま死ぬ。
自分の体から心が抜けて遠ざかっていくのを感じる。
自分の体を頭上から見下ろしていた。
すると私の体を強引に抱き起こす人がいた。
強い力で私を立たせると、
「あとは俺が連れていくから」
一言だけ彼はそう言った。
意識が朦朧としながら
私は彼の腰に手をまわしてひきずられるように歩いた。
「この人、こんなに細かったんだ」
歩きながらそう思ったのが妙に頭に残った。
彼が大きな扉をあけてふたりで外へでると、
沢山の矢が放たれて私の体に刺さった。
そこから血が吹き出したあと、私は叫んで死んだ。
そんな夢をみた。こわっ。なにそれ。どういう意味。
でも起きた時にすごく心地が良かった。
半ば強引に抱き起こされた時の「迎えにきてくれた」という安堵感と、
腰に手をまわしたときに感じた自分以外の人間の体温。
だから死んだけどハッピーエンドだった。
もう一度夢の中に戻りたくなるくらい。
それにしても自分でも怖くなるくらい見る夢が不思議だ。
この間なんて夜空からゆっくーりタンスが落ちてくる夢をみた。
謎だ。