死にたくなるような朝焼け

深夜の自分と昼間の自分とでは

まるで同じ人間とは思えない。

夜更けから明け方にかけて姿を見せる君は

出してくれ、出してくれ、と言いながら

安眠を奪いにかかる。

そして深い深い底まで潜りこんで眠りにつく。

その人を厄介者だと思っていたのは

つい先週までの数年間のことである。

夜中に恋する手紙は書くなというけれど

あの酔っているような状態というものは

錯覚ではなく疲労でもなく

それこそが裸の君なのである。

寝ているそいつを起こさずにきた。

その人こそが鍵だったのだとゆり起こすと

もう用はないのではないか、と眠たげに答える。

いや、君が必要なのだ。と伝えると

少し間を空けたあとで

それなら話は早い。全部ぶっこわしにいこう。

と勢いづいて起きようとする

待て待て、壊すのはいかんのだ。

まず僕と君のふたりで、この武器を持つのだ。

君というやつは、

自分の武器の使い方をよく誤って

自分の体を傷つけることがあった。

僕らはその武器をふたりで持ったけれど

これは何年振りなのだろう。

こいつが本当に役にたつのだろうか。

半信半疑ながらその武器は大きくて重たくて

うまく持つことすらままならない。

それで今に至るというわけだ。

正直にいうとものすごく苦悩している。

聞いているか。

生活における倫理と理性の使い方はわかるが

創作に倫理と理性はどこまでが必要だと君は考える。

まるで話の通じない猛獣のような君と

身なりを気にしすぎているこの僕が

ここから歩きださなきゃならないんだ。

君だけではできず、僕だけでもできなかったこと。

生きることと、愛することの話だ。