目と目が重なる瞬間

スタジオでした。2回目のスタジオ。

もっと歌いたかったなー!

歌をうたう楽しさは、単純に普段ださないような大きな声を出すところにもあるけれど、

もっと楽しいところは、

大きな声を出さない瞬間です。

声をはらない部分に、どれだけの表情を出せるかというのを考えて歌うのが好きです。

例えばここは平坦ではなくこの歌詞の中の一文字のさらに半分だけを裏声にしたらどうかとか、

ここは語尾をかすかに震わせたら主人公の儚さが出るだろうかとか、

そんな事を考えながら歌うのがたまらなく幸せな時間です。

音楽そのものだけを考えているというよりは、音楽を含めた私の周りの空気全てに触れ合いながら生み出すような感覚です。

よって私はレコーディングがとても好きです。

まさに「歌のドラマ」を考える時間だからです。

大きくとらえて一発でどーんと歌うのも好きですが、

細かく細かく考えて歌う場がとても好きです。

なのでバンドでマイクだけに集中出来る時間と、

レコーディングでマイクだけに集中出来る時間は、

特別至福の一時です。

 

そんな事を考えながら歌っていました。