生まれた時点で死につつある

生まれた時点で死につつある

という言葉を見た

生まれた後は後退していけないものな

何か発明でもされれば別だけれど

「死んだ後に忘れられるのが怖い」

ということを言っている人がいた

私にはない感覚で新鮮だった

私は何もなくなってもいいな

今世きっと確実に生き切る気がするのは

今死んでも幸せな人生だったと思えるから

誰も覚えていない方が面白いかもな

そう思えるのはきっと

音楽を残しているからかもしれない

私自身の肉体や精神の臭いが

恐らく作品にうつりこんでいるからかもしれない

その音楽ですらも

いずれ腐敗していき 地面に帰っていったら

気持ちが良いかもしれないな

吉田松陰の志や生き方は

彼の死後も沢山の心に生き続けた

彼の蒔いた種は彼自身が滅びたとしても

その寿命よりもはるか長く

きっとこの先も生き続けるだろう

そのあり方に憧れた

そして音楽はそうあれる可能性がある

彼の足元にも及ばないほどだけれど

音楽の輝かしい部分

ダイイングメッセージのように

それを残して死にたいと思える言葉

自分の中の訴えよりもきっと

自分を超えたものからのメッセージ