今年最後の魔界を見に行った。
自分が出演するちょっと前から魔界は見に行っている。
というのも自分が出演するかしないかを置いておいても、
新しいことへの挑戦を見ているのは非常に心が動くからだ。
「まだまだだ」という言葉が大好きで
まだまだ足りないというのは、まだまだ上にいけると思っているので、
その可能性の大きく開かれた扉(でもその扉はかなり幅広いので、どんな方向にでもいける、腐敗する可能性もあれば堕落する可能性もある)を客観的に眺めていると、
「なんてやることがまだまだあるんだ」と感じてワクワクする。
そして自分自身を振り返ってみる。
まだまだやることがあるなかの今日一日を、私はどれだけのペースで歩いているのだろう。
この速さでいいのか。速めるべきか、むしろ落とすべきか。
こういうブログをちょくちょく書くので、
見た人からは「ストイックだ」と思われるかもしれませんが
私はマイペースでだらだらして移り気で一つのことに集中したら
他のものがお粗末になるような不出来な人間なので、
それを戒めるために書いているようなものです。
話しがそれたのでそのままもう少しそれるが、
あまり仲間うちの盛り上がりが好きではない。
何故かというと、自分が走りたい時に一緒にいる人間が歩いているともうたまらない気持ちになるし、
全ての責任を自分ひとりでもちたい(好き勝手やりたい)ので、
今までずっと周りに感謝しながらもひとりで戦って来た感覚がある。
だから私はエピックのみんなとは一度離れたのだと思っている。
チームで挑戦するという感覚が劣っていたのだ。
「それぞれがそれぞれ頑張っている」という感覚では乗り越えられないものがあると痛感した。
ここ数年でその殻から抜け出しつつある。
まだ私は何かに属すよりも、もう一歩手前の自分自身で他者との交わり合いについて苦労した方がいいんじゃないかと思ってる節もあり勉強している最中なのだけど、
面白いことは自分ひとりよりも、別の脳みそがあった方が面白くなる。
まだ人と共に歩いて行くことに苦戦することも多い私にとって、
今年魔界と出会えたのは大きかった。
ミュージシャンではないことが大きい。(もいらっしゃるけど)
自分の触れたことのない世界に生きて来た人間が切磋琢磨している姿を直接見る機会が今まであまりなかった。
たいした社会経験もない、音楽しかやっていないで周りも音楽をやっている人間ばかりに囲まれていた私にとってはそういう異業種の人間の姿を間近で見ることが新鮮だった。
この人は何を考えて生きてきたんだろう。
どんなことが苦しいと思うのだろう。何が悲しかったのだろう。
どんな時にワクワクするんだろう。
どんな未来にいきたいんだろう。
お世辞や社交辞令が得意ではない私は、ひとりの人間の心の中にすごく興味がある。
みんなでわいわいしてるときには、その顔は隠れている。
でもその顔こそが私は知りたい。
魔界にいる一人一人の人間性や意志などはわからないし、
あれだけの人数が関わっていればいろいろな事があるだろうけど
多くの者が混ざり合ってひとつの世界をつくるという私に足りないものを見せてもらえた。
もちろん、バンドでもそれは変わりないのだがまだ私の中で殻を破りきれていない部分がある。
サポートという感覚を互いに一度壊せない限りは変わらない世界だろうと思う。
スタジオミュージシャンの集まりではないから、そこはもう少し生身でいく必要性を感じている。でもそれもじきにくる転換点で打破できるだろう。
自分が変わらなければ何も変わらない。
でも変わらない人生が悪いわけではない。
私にとってあなたにとって、自分が思う美徳がその人の味のある人生となる。
自分が生きたいと思う生き方が出来ているか問うてみる。
固い言い方だけど、こう言い換えてみる。
悪い私がでてきたときのパターンはだいたいこう。
人に否定されたくないな、攻撃されたくないな、賛同を得られなかったら怖いな、
面倒くさいな。平和でいたいな。と後ろ向きな自分がでてきたとき、
「確かにそうだね。でも、それって楽しい?ワクワクするかな?自分の怖がる臆病な気持ちをそんなに大事にする必要ってあるのかな?」
大体自分にそう問いかけてみると、渋々
「大事にする必要はない。自分を守っていても楽しくないしワクワクしない」
と答える。
私にとってはそのワクワク、前進、が大事なことなのだ。
でもそれとは真逆な怖がりな自分、怠惰な自分が頻繁に今でもやってくるけどそれもまた自分だと受け入れてあげないとなと思う。
それを受け入れられないから私は体調を崩したりするんだろう。
あまり目くじらをたてずに、神経質にならずに、考え込まずに、
やっていけるようになるの目標だな。
話しがものすごく長くなったが、来月の魔界に出演します!
ここにいろんな人間が映っているけれど、皆が皆ひとりでいろんな思いをして生きて来て、
ここに映っていない裏方の人にもそれぞれ乗り越えてきたもの、乗り越えられなかったものがあって、
そこからいなくなる人にもまたその人の道があり美しさがあって、
人間は本当にどうしようもない汚れた生き物だけど私にとっては胸が苦しくなるほど美しく愛おしく温かい。
私はそれを歌で表現してこの時代を生きている人間だ。
孤独も汚さも苦しみも悲しさも鬱屈したものも、愛しさも喜びもワクワクも、
全てひっくるめて引きずりまわして生きるように歌う。さぁ生きるぞ。